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相続遺言は必要?(熊本日日新聞 2023年1月11日付)

2023.01.11
相続・遺言問題 相続・遺言問題

 Q 私も終活を考える年齢になりました。といっても、自宅の土地建物といくらかの預金を除けば、さほど財産はありません。相続税対策も不要なくらいの財産額ですが、遺言は残したほうがいいでしょうか。

 A 相続時の節税対策や申告の要否と、遺言の必要性とは関係ありません。財産、それも不動産をお持ちであれば、遺言を残すのがいいでしょう。遺言とは、残した財産を相続人でどのように分けるかを記すものです。遺言がないと、相続人同士の争いになる場合が多いです。
 遺言には何種類かありますが、公正証書遺言を強くお勧めします。公正証書以外の方法で遺言を残したために相続紛争が発生したという事案も多くみかけるからです。
 また、弁護士以外の専門家に相談して遺言を作ったが、相続争いを防ぐために必要な配慮が足りないために問題が生じることもあります。とりわけ、節税ばかりに気を取られ、法的に問題が多い遺言を作ってしまったため、相続発生後に大変な争いが生じたというケースをよく目にします。
 弁護士にご相談いただければ、要所を押さえつつ、必要に応じて税理士や司法書士らと連携して節税や登記にも配慮した遺言を作ることができます。
 遺産は相続人たちに幸せになってほしいと思って残すものです。その遺産が原因で争いが起きるのは不幸です。「何をやったらトラブルになるのか」「トラブルを防ぐためにはどうしたらいいか」-。熟知する弁護士と相談した上で、公正証書で遺言を残すことをお勧めします。

弁護士 清水谷洋樹