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養親との養子縁組解消(熊本日日新聞 2023年2月8日付)

2023.02.08
離婚・家庭問題 離婚・家庭問題

 Q 元夫との間に子がいましたが、離婚して私が親権者になりました。その後、現在の夫と再婚した際、私の子は夫と養子縁組しました。最近、夫と不仲になったので、離婚を考えています。夫と子の養子縁組も解消できるのでしょうか。

 A あなたと現在の夫が離婚したとしても、お子さんとの養子縁組がなくなる訳ではありません。養子縁組を解消するためには、離婚届とは別に、離縁届を作成して役所に提出する必要があります。お子さんが15歳以上であれば本人が、15歳未満であればあなたがお子さんを代理して、手続きします。
 離婚自体を夫婦で合意できるのであれば、離縁にも応じてもらえることが多いと思われます。もし、養親であるあなたの夫が離縁に応じなければ、家庭裁判所に離縁の調停を申し立てて、話し合うことになります。それでも合意できなければ、離縁の訴訟を起こすことになります。
 訴訟で離縁が認められるためには、悪意で遺棄されたこと▽3年以上の生死不明▽その他養子縁組を継続しがたい重大な事由-のいずれかが必要です。養子縁組を継続しがたい重大な事由があるかどうかは、個別の具体的な事実関係に基づき判断されます。
 お子さんが小さいなら、実親とともに養育するための養子縁組なので、実親と養親が離婚することになったこと自体が、その事由に当たりやすいでしょう。加えて長期間別居しているなどの事情があれば、離縁が認められやすくなります。

弁護士 田上裕輝