せいかつQ&A

  1. ホーム
  2. せいかつQ&A
  3. まとまった金額貸す時の注意点(熊本日日新聞 2023年9月13日付)

まとまった金額貸す時の注意点(熊本日日新聞 2023年9月13日付)

2023.09.13
借金 借金

 Q 先日、学生時代の友人から借金の申し込みがありました。貸せないほどの大金ではないものの、かなりまとまった額です。周りからは「貸さない方がいい」とか「貸すなら返ってこないつもりで」と言われますが、今回だけは貸そうと思います。どんなことに気を付ければよいですか。

 A まず、どのような理由でお金が必要なのか、説明を受けてください。例えば違法賭博で負けた分の返済や、犯罪に関係する場合、あなたが借金の返済を求めても、返済を求める権利が法律上認められないことがあり得ます。
 貸す前には適切な書面を作成してください。当事者の氏名や住所、貸した日時や返還の約束、金額や返済日、返済方法などを記す必要があります。
 利息を付ける場合、利率には法律上の制限があります。利率が高すぎると元金の請求も認められないことがあり得ます。いずれにせよ、弁護士などの専門家に作成を依頼した方が確実です。
 返済が滞った場合に備え、連帯保証人や抵当権などの担保制度を利用することも検討してください。担保制度を利用する場合、書面を作る必要があり、専門家に依頼した方が良いと思います。
 公証役場で「強制執行認諾文言」を盛り込んだ公正証書という形式の書面を作れば、支払いが滞った場合、裁判に訴えなくても強制執行の手続きができます。
 友人の経済状況が悪化し、完済前に破産してしまうことも考えられます。この場合、友人は最終的に借金を返済する責任から解放されることになります。

弁護士 金子愛