せいかつQ&A

  1. ホーム
  2. せいかつQ&A
  3. ネット上での誹謗中傷(熊本日日新聞 2024年2月28日付)

ネット上での誹謗中傷(熊本日日新聞 2024年2月28日付)

2024.02.28
その他 その他

 Q インターネット上で私のことを誹謗[ひぼう]中傷する内容の書き込みを見つけました。内容が違法である場合、どのように対応すればよいでしょうか。

 A 近年、インターネット上で他人を誹謗中傷したことで損害賠償を命じられたり刑事罰を科されたりするケースが増えており、社会的な問題となっています。
 インターネット上で違法な誹謗中傷を受けた場合、情報の削除を求めることや、書き込んだ人物(発信者)を特定して法的責任を追及することなどが対応として考えられます。そのためにも、書き込まれた内容やURLなどを印刷物やデータの形で適切に保存しておくことが重要です。
 発信者の特定には発信者情報開示請求が必要になります。以前は、発信者の特定には原則として最低2回の裁判手続きが必要で、これに要する時間や弁護士費用が法的措置を躊躇[ちゅうちょ]させる大きな要因となっていました。
 しかし、最近の法改正で発信者情報の開示を一つの裁判手続きで行えるようになったほか、開示請求に要した弁護士費用を損害賠償として発信者に負担させる裁判例が増えているため、法的措置のハードルは少しずつ下がっているといえます。
 誹謗中傷への法的措置を検討する際は、違法といえるかどうかの判断が微妙な場合も多く、専門的かつ複雑な分野なので、弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士 向井飛翔