近所の高齢者、世話が不十分?(熊本日日新聞 2014年10月8日付)
2014.10.08
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Q 近所に、おばあさんと息子さんが2人で住んでいますが、おばあさんは自分で身の回りのことができません。最近は入浴もしてないようですし、衣服も汚れています。また、ときどき息子さんの怒鳴り声が聞こえます。心配ですが、どうしたらよいでしょうか。
A 65歳以上の高齢者に対する虐待を防いで人としての尊厳を守るとともに、高齢者の世話をする人(養護者)を支援する目的で、2006年4月に「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」(高齢者虐待防止法)が施行されました。この法律では、市町村が高齢者と養護者に対して、相談や指導などを行うことになっています。
この息子さんが、おばあさんに対して介護や世話が十分にできていなかったり、怒鳴ったりすることは、この法律の「虐待」(不適切な対応)に当たります。息子さんは、おばあさんの世話を1人でしなければならず、地域で孤立していて、大変かもしれません。この法律は、おばあさんを守るだけでなく、息子さんを支援することも目的にしています。
ですので、このような場合は、深刻な被害が生じないうちに、市町村や地域包括支援センターの相談窓口へ通報や相談をして、市町村に適切な措置を検討してもらうようにしてください。
なお、連絡を受けた市町村は、誰からの通報か分からないように対応することになっています。連絡したあなたの秘密は守られます。
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弁護士 三浦宏之