相続登記が義務化/不動産取得後3年以内に申請を(熊本日日新聞 2024年10月23日付)
2024.10.23
相続・遺言問題 相続・遺言問題
Q 相続登記が義務化されたと聞きましたが、どのような内容でしょうか?
A 「自宅敷地の名義がご先祖さまのままなので、相続の手続きをしたい」という相談を受けることがあります。土地の登記簿を見ると明治時代から登記が動いておらず、〇〇右衛門さんの所有名義のままということもあります。
そうなると、既に4代か5代は代替わりしているはずで、現在その土地は法的には〇〇右衛門さんの相続人の共有状態となります。その場合、相続手続きをするには相続人間で協議する必要がありますが、既に相続人は相当な人数となっているはずで、相続手続きはかなりの困難が予想されます。
このような所有者不明の土地をなくすために、2024年4月1日から相続登記が義務化されました。相続(遺言)によって不動産を取得した相続人は、その所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなくてはいけません。
また、遺産分割をした場合には、それにより不動産を取得した相続人は遺産分割成立日から3年以内に相続登記をしなくてはいけません。いずれの場合も、正当な理由なく義務に違反した場合は10万円以下の過料の対象となります。
従って、不動産を相続した際には、相続人間で速やかに遺産分割の話し合いを行い、その上で不動産を取得した相続人は法務局に相続登記をする必要があります。いずれにせよ、相続については時間が経てば経つほど事情も変わり解決が困難になりかねませんので、早めに話し合いをすることが大切です。
弁護士 北條将人