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「遺言書」中身の確認は?/家庭裁判所に検認の請求を(熊本日日新聞 2025年1月29日付)

2025.01.29
相続・遺言問題 相続・遺言問題

 Q 父が亡くなったのですが、遺品を整理すると、「遺言書」との表書きがされた父の署名のある封筒を発見しました。封筒には、封がされていました。封筒を開封し、中身を確認していいのでしょうか?

 A 相続人が遺言書を発見した場合、遅滞なく、家庭裁判所に遺言書を提出して、検認の請求をしなければなりません。
 また、封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人またはその代理人の立会いがなければ、開封することができません。
 検認を経ないで遺言を執行したり、家庭裁判所外において開封した場合には5万円以下の過料に処されることがありますので、発見した封筒は開封することなく、家庭裁判所に検認の請求をする必要があります。
 ただ、検認・開封の手続きに違反したとしても、遺言の効力に影響はありませんので、それだけで遺言が無効になることはありません。
 なお、遺言には、遺言者が遺言書の全文、日付および氏名を全て自分で書き、押印して作成する自筆証書遺言と、遺言者が遺言の内容を公証人に伝え、公証人がこれを筆記して公正証書によって作成する公正証書遺言がありますが、公正証書遺言には検認は不要です。
 また、自筆証書遺言の保管制度が新設されており、「法務局における遺言書の保管等に関する法律」の規定に基づき法務局(遺言書保管所)に保管されている自筆証書遺言にも検認は不要です。

弁護士 山内圭太郎