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自宅残しながら負債整理/個人再生、ローン特則利用を(熊本日日新聞 2025年4月23日付)

2025.04.23
借金 借金

 Q 私は会社員で、住宅ローンを借り入れて購入した住宅に住んでいます。住宅ローンに加えてクレジット会社や消費者金融から多額の借り入れがあり、返済を続けるのが難しくなりました。自宅を残しながら負債を整理することはできますか。

 A 個人の債務整理の方法には、主に任意整理、個人再生、自己破産があります。このうち、自己破産は手元に住宅などの財産があれば売却して返済に回すことになるため、一般的には持ち家を残したい場合には他の方法を検討することになります。
 任意整理とは、債権者との協議によって分割払いの方法などを取り決める手続です。これは個々の債権者との話し合いであるため、住宅ローン以外の債務に絞って整理することも可能ですが、実務上、大幅な減額は困難です。
 債務の金額を減らす方法としては、個人再生が考えられます。これは裁判所の関与の下で、債務を一定の金額に減額して3年程度で分割返済するという制度です。今後の収入から可能な範囲で弁済をするものであり、債務者の生活と債権者の利益の双方に配慮がなされているという特徴があります。
 個人再生の場合は、住宅ローン特則といわれる制度を利用することができます。これは住宅ローンを負担している人が自宅を失うのを防ぐため、住宅ローンを支払い続けながら他の債務を減額の対象とするものです。これを利用すれば、自宅を残しつつ、債務を整理することが可能となります。

 

弁護士 田上裕輝