お客から「土下座して謝れ」(熊本日日新聞 2025年11月5日付)
2025.11.05
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Q コンビニエンスストアの店員です。先日、私のささいなミスでお客さまが怒り出し、謝罪しましたが「土下座して謝れ」などと要求し、許してくれません。騒ぎで他のお客さまに迷惑をかけてはいけないと考え、やむを得ず土下座しました。悔しくて仕方ありません。
A 本件トラブルは、いわゆる「カスタマーハラスメント(カスハラ)」というものです。
カスハラの判断基準は①顧客等の要求内容に妥当性はあるか②要求を実現するための手段・態様が社会通念に照らして相当か-というものです。
今回の件の場合、あなたの謝罪を相手方が受け入れなかったというのですから、最初に、顧客等の主張を傾聴できたかについて、考えてみてください。次に、あなたの謝罪が「誠意ある対応」であったかを考えてください。顧客等の主張、あなたの対応について、余裕があれば現場の上司、または相談窓口に相談してください。
あなたの謝罪を相手方が了解することなく、執拗[しつよう]にクレームを繰り返し、要求がエスカレートして「土下座の要求」となった場合、あなたがその要求に応じる必要はありません。
顧客があなたに対して、暴行、脅迫などの行為、もしくは著しく粗野、もしくは乱暴な言動で迷惑をかける場合は、犯罪行為とみることができるケースもありますので、警察官の力を借りることができます。
いずれにしても、従業員としては、謝罪すべきは謝罪して、不当な要求には「毅然[きぜん]」とした対応をとることが肝要です。
弁護士 大村豊


