遺言書作成/公正証書、信ぴょう性高く(熊本日日新聞 2025年12月3日付)
Q 遺言書を作成するにあたって注意するべき点を教えてください。
A 遺言書の効力が発揮されるのは、遺言者が死亡したときです。相続が開始された際にもめ事が起きないように作成したいものです。
そこで①遺言の効力②遺言の内容③遺言書の保管について注意しましょう。
まず、特にご高齢や重い病気の方が遺言書を作成された場合、遺言書の内容に不満を感じる相続人から「遺言能力のない状態で作成された」と遺言の無効を主張されることがあります。このような場合に備えて、遺言書の作成前に、十分な遺言能力を備えている旨を内容とする医師の診断書を取得しておくことをお勧めします。
公証人役場で作成される「公正証書遺言」は、公証人は医師ではありませんが、遺言者の状態を直接、面前で確認して作成するので、遺言能力についての信ぴょう性は、遺言を自分で書く「自筆証書遺言」の場合よりも高いといえます。
自筆証書遺言の場合には、遺言の内容が明確ではなかったり、法的または税金についての検討が不十分だったりすることがあります。遺言書作成の前に、ご自身の考えについて弁護士、司法書士、税理士といった専門家に相談されたほうがよいでしょう。
最後に、せっかく作成した遺言書が、災害による紛失や、相続人が遺言書の存在を知らなかった、見つけられなかったために、その効力を発揮できないこともあり得ます。対策としては、公正証書遺言として作成すれば、長期間、公証人役場で保管してもらえますし、全国どこの公証人役場で作成されたとしても、最寄りの公証人役場で検索が可能です。
また、自筆証書遺言の場合、法務局で保管してもらえる自筆証書遺言書保管制度があり、この制度では、死亡時に遺言の保管を知らせてもらう指定者通知制度などもあります。


