せいかつQ&A

  1. ホーム
  2. せいかつQ&A
  3. 行方不明の夫の財産相続、離婚(熊本日日新聞 2026年2月11日付)

行方不明の夫の財産相続、離婚(熊本日日新聞 2026年2月11日付)

2026.02.11
離婚・家庭問題 離婚・家庭問題

 Q 私の夫は、約10年前に家を出たきり行方不明となっています。夫名義の預貯金などの財産はそのままにしておくしかないのでしょうか。また、気持ちを切り替えて別の人と再婚することはできないのでしょうか。

 A 再婚を望まれるのみであれば、「配偶者の生死が3年間明らかでないこと」「悪意で遺棄されたこと」「その他婚姻を継続しがたい重大な事由があること」は、離婚原因となりますので、家庭裁判所に離婚訴訟を提起するなどして離婚することが考えられます。離婚が成立すれば、当然再婚もできることになります。
 一方、夫の財産について相続手続きを行うためには、家庭裁判所に失踪宣告を請求することが必要です。これは、生死不明の状態が7年間続いた人について、法律上死亡したのと同じように扱うための制度です。失踪宣告が確定すると、その人は7年の期間満了時に死亡したとみなされます。その結果、財産については相続がなされますし、配偶者が再婚することもできるようになります。
 失踪宣告のためには生死不明の状態が続いていなければならず、これは単なる所在不明とは異なります。たとえば、所在は分からないが交流サイト(SNS)などでやりとりはできるような場合には、生存は明らかなので生死不明とはいえないでしょう。
 なお、事故や災害などの危難に巻き込まれた人が生死不明となっているような場合は、その危難が去ってから1年間生死不明であれば、失踪宣告が可能です。この場合は危難が去ったときに死亡したとみなされます。

弁護士 田上裕輝