せいかつQ&A

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隣の公園から落ち葉(熊本日日新聞 2014年12月03日付)

2014.12.03
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Q 私の家の隣は公園で、大きなイチョウの木があります。毎年秋になると落ち葉が家に舞い込み、雨どいが詰まってしまいます。公園の管理者に連絡しても、すぐには対応してくれません。自分で木の枝を切ってもかまいませんか。

A 秋の紅葉は目を楽しませてくれますが、落ち葉が原因のトラブルもあります。木の枝の剪定[せんてい]や落ち葉の後始末などは、公園の管理者に依頼するのが前提です。

 法律には、隣地間で生じる問題(相隣関係)の解決ルールを定めたものがあります。隣地の樹木の枝が境界線を越えるときは、所有者に枝を切るよう求めることができます。しかし、他人の樹木なので、勝手に切ることは許されません。枝が境界線を越えていないときは、枝を切ることを求めることはできません。樹木の所有者に断りなく枝を切ると、逆に損害賠償を請求されることもありますので、慎重な行動が求められます。
 国が管理する河川の堤防に植えられたケヤキの落ち葉について、裁判になったケースが参考になります。裁判所は、ケヤキが落葉樹であり、秋には葉が落ちることを考慮した上で、落ち葉による被害が社会常識に照らして我慢すべき範囲内ならば、木の伐採や損害賠償を求めることはできないという判断を下しました。
 どの程度で我慢すべき限界を超えるかは、ケースにより異なります。落ち葉の量や樹木の所有者の対応など、さまざまな事情が考慮されるでしょう。
                            弁護士 森徳和