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納得できない整理解雇(熊本日日新聞 2015年1月14日付)

2015.01.14
労働問題 労働問題

Q 会社から整理解雇の通知を受けました。理由に納得できないので裁判で争いたいと思いますが、労働問題では労働審判という制度があると聞きました。どんな制度でしょうか。

 A 労働審判は、労働事件で司法による迅速な解決が図れるシステムとして、労働審判法に基づき2006年4月から実施されています。労働審判は、裁判官である労働審判官1人と、労働問題に精通する労働審判員2人(労働者側1人と使用者側1人)で構成される労働審判委員会が審理を行い、両方の当事者の話を聞いた上で解決を図る制度です。
 通常の訴訟では判決が出るまでに1~2年はかかるところ、3回以内の手続きで3~4カ月ほどで解決できます。また、調停という話し合いによる解決を試み、調停で解決できない場合に審判という委員会の判断が下されることになりますが、その内容は実情に即した柔軟なものとなります。
 さらに、申立費用が訴訟の場合の半額と安価です。ただ、下された審判に対して異議の申し立てがあったときは、審判は効力を失い、通常の訴訟に移ることになりますので、相手方が争ってくる可能性が高い場合に労働審判を利用すべきかどうかは慎重な検討が必要です。
 士業のうち、労働審判で代理人となれるのは弁護士だけです。弁護士にご相談ください。

弁護士 守田英昭