物損事故の賠償は?(熊本日日新聞 2015年03月25日付)
2015.03.25
交通事故 交通事故
Q 自家用車を運転して帰宅中、赤信号で停止していたところ、ほかの車に追突されました。私にけがはないものの、車は修理が必要なほど傷つきました。この場合、どのようなものが請求できるのでしょうか。
A 物損事故の場合、相手方に請求できるのは、通常、(1)修理費(2)代車料(代車使用料)(3)評価損-などです。
(1)の修理費は、修理が相当な場合に、適正な修理費相当額が損害となります。通常は修理業者からの見積書などで判断されていますが、過剰なものや便乗的な修理までは認められません。
(2)の代車料は、車の修理をする期間中、レンタカーなどの代車を使用した場合、相当な修理期間の範囲内で損害として認められます。代車料が認められる修理期間は1~2週間が通例ですが、修理部品の調達などの事情があるときは、長期間認められる場合もあります。なお、車が使えないことで得られなかった収入や利益「休車損」は、営業車だけに認められ、自家用車には認められません。
(3)評価損(格落ち損)は、修理しても外観や機能に欠陥が生じ、または事故歴によって車両価格が事故前の価格を下回ることをいいます。ただ、全ての場合に認められるのではなく、初年度登録からの期間や走行距離、修理の程度、車種などの事情を総合的に考慮して判断されています。評価損としては裁判上、修理費用の20%~30%程度で認定されたものがあります。
弁護士 吉田賢一