「かかりつけ弁護士」確保を(熊本日日新聞 2015年04月22日付)
2015.04.22
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Q 今年で70歳になり、体力の衰えを感じてきました。将来の住まいや医療、介護、年金、財産管理、遺言など、どうしたらいいのか不安です。しかし、まだトラブルにもなっていないのに弁護士に相談してもよいものでしょうか。
A 確かに、弁護士に相談するのは、トラブルが発生した後という風潮があります。
一方、医療の世界では、病気にさせない、病気を予防する予防医学が実践されています。法の世界でもトラブルを起こさせない、トラブルを予防する「予防法学」が必要だと認識されています。最近では、高齢化社会を背景に、「ホームロイヤー」つまり「かかりつけ弁護士」をつくり、安心して生活する方法があります。
トラブルなく生活するには、損害賠償や賃貸借、消費者被害、相続、離婚、破産・債務整理など一般的な法律問題はもちろん、任意後見や財産管理、遺言、福祉施設との契約といった高齢者特有の問題まで、幅広く事前の対策が必要です。
このため、トラブルの発生前に「いつでも気軽に、ささいなことでも尋ねられる弁護士」を確保することが有益なのです。まずは、今後の生活設計や財産管理など幅広い分野についての助言や支援を得られる弁護士を探して、現在や将来のさまざまな問題や不安を解消してもらう態勢をつくることを薦めます。
またホームロイヤーは、ささいなトラブルがあっても、気軽に相談できる利点があります。
弁護士 吉村俊一