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離婚後の親権どちらに? (熊本日日新聞 2015年06月17日付)

2015.06.17
離婚・家庭問題 離婚・家庭問題

 Q 夫と離婚しようと考えています。幼稚園に通う子どもが1人いますが、子どもを連れて近く別居する予定です。子どもの親権はどのように決まりますか。私が親権を取った場合でも、夫が要望すれば子どもと面会させなければなりませんか。
 
 A 親権が認められるために考慮される要素としては、親側の事情として(1)監護体制(経済状態、居住環境、家庭環境、教育環境)の優劣(2)子に対する愛情、監護意思(3)心身の健全性-などがあります。また子側の事情としては、(1)子の年齢、心身の状況(2)環境の継続性(3)子の意思-などがあります。これらのことからすると、親権が認められるためには、別居する際に子どもを連れて行き、別居先で子どもが安定した生活をしていることが有利に働くといえます。
 母親が親権を取っても、父親には親として、子どもと面会したり文通したりする権利があります。ただし、別居中の父親との面会交流が認められるかどうかは、「子の福祉」の観点から判断されます。子の福祉とは、子の意思・精神状態、子に与える影響、同居親の監護養育に与える影響などです。
 面会交流について話し合いがつかなければ、別居中の夫から家庭裁判所に、調停が申し立てられる場合もあります。調停では、面会交流を認めるか、どの程度の頻度で面会するかなどが、調停委員を介した話し合いで決められます。調停不成立の場合もありますので、ご不明な点は弁護士にご相談ください。

                                    弁護士 池田泉