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健康だが遺言は必要? (熊本日日新聞 2015年08月26日付)

2015.08.26
相続・遺言問題 相続・遺言問題

 Q  私は70歳で、血圧と中性脂肪値が少し高いと言われていますが、その他には健康状態に問題はありません。最近、遺言のことを耳にするのですが、遺言をしておいた方がよいのでしょうか?

 A 遺言がなければ、民法で定められた相続人(法定相続人)が、民法で定められた割合に応じて、遺産を相続します。遺言によって、法定相続人が取得する割合や取得する財産を指定することができます。

 また遺言によって、法定相続人以外にも、例えば世話になった人に財産を与えることもできます。ただし遺言が、兄弟姉妹以外の法定相続人に認められる一定の割合(遺留分)を侵害する場合は、侵害分を限度に相続財産を取り戻す請求をされる可能性はあります。


 遺言が必要かどうか、どんな内容の遺言にするかは、その人を取り巻く事情にもよります。ただ、法定相続人の間で分ければよいと考えている場合でも、遺言がないと遺産の分け方(遺産分割)について相続人全員の合意が必要になりますので、遺産分割をめぐり合意ができないことがよくあり、家族の間で紛争になることもあります。紛争を避けるために、遺言をしておくことをお勧めします。


 遺言は、遺言書を作成して行います。急病などのことを考えると、心身ともに健康なうちに遺言書を作成した方が良いでしょう。遺言書の種類や遺言の内容などに関する疑問については、弁護士への相談を勧めます。

? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ?弁護士 内田光也