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隣家に塀の撤去を求められた(熊本日日新聞 2016年5月18日付)

2016.05.18
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 Q 先祖代々の土地に住んでいますが、お隣さんから私の家の塀がお隣さんの土地に建てられているので、撤去してくれと言われました。ずっと昔からの境界線に塀を建てているのですが、どうすればよいでしょうか。

 A あなたの土地とお隣さんとの土地の境界線がどこなのかが、問題となっている事案ですね。
 この場合は、お隣さんとの話し合いで解決できなければ、法務局の筆界特定制度を利用して、境界(筆界)を特定することができます。法務局の結論に不服があれば、裁判所に境界確定訴訟を提起することもできます。
 仮にあなたの主張するような境界線が認められなかった場合でも、あなたの土地の所有権を主張できる場合があります。国が定める境界線がどこにあるかという問題と、ある土地の所有権が誰にあるかという問題は、一応、別問題だからです。ですので、たとえばお隣さんの主張している境界線が正しいとされた場合であっても、あなたが境界を越える部分の土地を長年使用してきたという事情があれば、時効取得に基づいて所有権を主張できる場合があります。
 善意(所有権がないことを知らなかった場合)であれば10年、悪意(所有権がないことを知っていた場合)であっても20年が経過すれば、時効取得が認められます。
 事案によってどのような手続きを選ぶことが適切か判断が難しい場合がありますので、ぜひ弁護士にご相談ください。
                           弁護士 中村輝久