避難所で性暴力被害(熊本日日新聞 2016年8月9日付)
2016.08.09
震災関連 震災関連
Q 避難所で男性に体を触られました。みんなが大変な時期なので、私が我慢すればいいと思っていましたが、なかなか眠れなくなりました。どうすればいいでしょうか。
A 本人が望まない性的行為は全て性暴力で、人の尊厳を傷付ける卑劣な行為です。性暴力を受けたことを一人で抱え込まないでください。性暴力被害者のための支援センター「ゆあさいどくまもと」では支援員が話を聞き、関係機関と連携し、一緒にあなたの今後のことを考えていきます。
必要に応じ、病院や警察への付き添い、弁護士による法律相談、臨床心理士によるカウンセリングなどを受けられます。相談内容の秘密は守られ、警察に届け出るかどうかも一緒に考えます。
震災では、避難所生活が男女共同になること、人の出入りが多くなり不審者を監視する機能が働きにくくなること、ストレスが蓄積し、自分より弱い立場の人に矛先が向く可能性があることなどから、性暴力が起きる危険が高まります。
一方、被害者は「命が助かったのだから」「もっと大きな被害を受けた人がいるのだから」と、被害に遭った事実を一人で抱えてしまいがちです。周囲の人も「みんなが大変な時期なのだから」と被害者に我慢を強いる可能性があります。
一つの性暴力を見逃せば、加害者が同じ行為を繰り返す危険が高まります。「ゆあさいど」では、家族や知人からの相談、過去の被害の相談も受け付けています。まずは話をしてみてください。
弁護士 渡辺絵美
*ゆあさいどくまもと TEL096(386)5555。
受け付けは24時間(12月28日午後10時~1月4日午前10時は除く)。